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地銀が挑む、地銀らしくない超越境ベンチャーキャピタル。地方大学が地域の起業家生態系のハブになる日。
全国東京都福岡県

地銀が挑む、地銀らしくない超越境ベンチャーキャピタル。
地方大学が地域の起業家生態系のハブになる日。
株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ

記事のポイント

  • 幅広い投融資経験から感じた、地方でのベンチャー育成・投資の必要性。
  • 産学連携ビジネスへの投資で見据える地方の起業文化づくりへの挑戦。
  • 長期目線、リスクテイク、地方発全国・全世界対象を強みへ。

株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ(以下、FVP社)は福岡銀行を中心とするふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)の100%子会社である地域発のベンチャーキャピタル(以下、VC)だ。投資対象を福岡や九州エリアに限定しないグローバルマーケットを見据えた投資スタンスを取っているのが特徴だ。

同社は一般的なVCとしての投資のほかに、2017年2月に設立された「九州・大学発ベンチャー振興会議」にファンドとして関わり、大学発ベンチャー企業を支援する役割を果たしている。
東京に集中しているとされるVC業界への地方からの関わり方と、地方ベンチャーをVCというフィールドを通じて盛り立てるチャレンジを同社の中核を担う長谷尾さんにお話しいただいた。

長谷尾 勲

株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ
投資事業部長

1996年慶応義塾大学商学部卒、同年福岡銀行入社二日市支店、東京支店を経て、2003年より本部勤務。市場営業部、ソリューション営業部、営業企画部、事業金融部などで、証券投資や金銭債権、不動産、船舶、発電事業などのストラクチャードファイナンスやプロジェクトファイナンス、事業再生などを経験し、2009年より福岡キャピタルパートナーズ(事業再生や事業承継、不動産投資などを行うファンド運営会社)へ出向、2016年よりFVPへ出向。

異色だけど、恵まれていた。

今回登場いただく長谷尾さんはVC一筋に生きてきたわけではない。現在はベンチャーへの投資に関わる彼も、ここに至るまでに多彩な経験をしてきた。

「新卒で福岡銀行に入ってから今までに、いろいろな分野を経験しました。4年の支店配属のあと、東京支店、市場営業部で証券化商品の面白さを知りましたし、本部に戻ってからも農業マーケットの調査をしたり、事業再生に関わったりしました。その後、ファンドに出向した後、事業再生に限らず、事業承継や不動産、不良債権など、様々なアセットクラスの投資を扱いましたし、色々なシチュエーションに出会いました。6年半があっという間でした。正直、変わるとは思ってませんでした。」

「そのファンドにいたときに、地方が成長するために何ができるかを考えると、自分の投資していたアセットクラスだけではなく、ベンチャー投資も扱わないといけないと思うようになりました。そして調査を進めていたちょうどそのころ、福岡でもベンチャーが盛り上がり始めたんです。2014年ころのことです。」

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その後、FFGがフィンテックベンチャーへの投資を決め、2016年4月にFVP社の前身となる、ふくおかテクノロジーパートナーズ社を設立。行内でのファンド業務の第一人者ということで、長谷尾さんが参加することになった。

「一般的な銀行営業もあまりやってきていませんし、普通の銀行員に比べるとかなり特殊な経歴だと思いますが、自分では恵まれていると思いますね。何よりファンド投資に関われるのは楽しいです。周りに理解者が少なくて、ストレスはたまりますけど(笑)」

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投資年限15年、
長期目線で地域の大学と共にリスクテイクのリーダーVCとして。

このようにして誕生したFVP社だが、さらにFFGが「九州・大学発ベンチャー振興会議」(以下、振興会議)に参画したことで、同社の役割はさらに拡充された。長谷尾さん自身、フィンテック企業にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル:事業会社またはそれに準じる事業性の高い企業がおもに事業シナジー等の目線で行う投資)として関わっていた矢先の時代の変化だったという。

「2016年中旬から振興会議の構想が具体化して、2017年2月の設立に至りました。九州圏も他の地方同様、人口減が問題になっています。これに歯止めをかけるために雇用と産業の創出が不可欠ですが、産業を興す中核として大学を位置づけたのがこの振興会議です。域内の12大学と経済界が参加する中で、成長資金としてFFGが単独で50億円の投資枠を設定し、当社がファンドとして関わることになったんです。」

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大学発ベンチャーを支援する取り組みは個々の大学などで行われている例はあるものの、複数の大学が連携し、そこに地元の経済界も関わって産学一体で大学発ベンチャーを振興しようとする枠組みは全国でも珍しい。さらに、それを支援するFVP社の投資要項もベンチャーの成長を一番に考えたものになっている。

「当ファンドは投資年限を15年としています。一般的なものより長期で見ているのが特徴です。大学発ベンチャーとなると、シードの発掘から育成を経てエグジットに至るまでには一般の事業会社に比べて息の長い取り組みが必要になります。それくらいの覚悟がないと取り組めない分野とも言えるかもしれません。作った人間として、私の思いが反映されて15年という年数が設定されたのはよかったなと思っています。
こうした投資を通じてベンチャーが成長し、他行や他VCからの投資も増え、九州の大学発ベンチャーはより盛り上がることになるでしょう。」

現在FVP社は振興会議を通じた投資以外にも事業会社とファンドへの投資を行っているが、投資先は九州内かどうかを問わず、分野も幅広いため、長谷尾さんのもとには様々な案件が持ち込まれているようだ。

「現在、当社のキャピタリストは福岡に4名おり、加えて東京で私が活動している状況です。FFGは他の地銀と比べてベンチャー投資への進出が出遅れていた面もあるので、今は知見を得るためにも、組める人とどんどん組んで、投資を積み重ねるべきフェーズだと思っていますが、ベンチャー企業が集積している東京で、九州以外の案件を2人で担当するのはかなりハードです。」

このメディアは「地方創生」を「業界」として定着させ、そこで活躍する人を可視化し応援する為に生まれました。

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