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【寄稿】スーパー公務員|寺本英仁の【A級グルメ・ダイアリー】7月号「膨らまないパン屋と広島カープ」
島根県

寺本英仁のA級グルメ・ダイアリー[7月号]
〜膨らまないパン屋と広島カープ〜

島根県邑南町で食と農で地域を盛り上げる仕組みづくりを推し進め、大きな成果を上げている寺本英仁さん。その活動は今、全国規模で広がりを見せています。ネイティブでは、その様子を広くご紹介してきましたが、この度、その寺本さんに毎月1回のシリーズで、日々の活動の様子や、その中で考えることを寄稿いただけることになりました。
今回はその1回目です。

寺本英仁(てらもと えいじ)

島根県邑南町 農林振興課 食と農産業戦略室

島根県邑南町役場職員。1971年島根県生まれ。<A級グルメ>の仕掛け人として、様々な試みを行い、全国の自治体から注目される存在に。『NHK プロフェショナル 仕事の流儀』ではスーパー公務員として紹介された。

2018/11/9 著書ビレッジプライド 「0円起業」の町をつくった公務員の物語を出版。

広島カープファンの僕。

昨晩は北海道鹿部町からの出張り帰り、
公用車のアンテナの調子が悪く、非常にラジオ中継が聞きにくいなか、
広島カープの試合を夢中に聞きながらハンドルを握っている。

エースの大瀬良が登板にも関わらず、ロッテ打線から4本の花火のようなホームランが
マツダスタジアムの外野観客席に白球が吸い込まれていく様子をアナウンサーが報じている。

最高に気分が悪い。

セ・リーグ首位で交流戦を首位で迎えたが、 交流戦に突入してからは、連敗が続き、巨人に首位を奪われてしまった。
僕は広島県と島根県の県境にある、島根県邑南町に生まれた。
島根県邑南町は広島市内まで車で1時間30分と非常に近く、子供の頃から広島カープファンだった父親に
当時のホームスタジアムである広島市民球場に連れていってもらっていたため、
僕は大の広島カープファンである。
大学を卒業して、邑南町役場に入庁してからも、カープの日々の試合内容は気になってしょうがなく、
毎晩、ナイターの試合状況をラジオスマホで情報収集して過ごしている。

広島カープカープは昨年まで、セ・リーグ3連覇を成し遂げ、
今年度は4連覇を目指してシーズンを戦っている。
僕の子どもの頃もカープは黄金時代だった。
山本浩二に衣笠祥雄がホームランを打ち、江夏豊や僕と同郷の島根県出身である大野豊が
対戦相手の打者をバッタバッタと三振に討ち取るシーンが今でも鮮明に残っている。
しかし、僕が大学1年の時にセ・リーグ優勝したのを最後に、
広島カープは暗黒の時代を迎える。

何故、広島カープは弱くなったのか?

カープは、本当に弱かった。
子供頃に強かった広島カープは、僕が役場に入ってからつい最近まで
セ・リーグのBクラスが指定席だった。

この頃プロ野球に新たにフリーエージェントと逆指名の2つの制度が導入されたことが
その理由ではないだろうか。

それまで選手が他チームに移籍する場合は、球団同士が合意して、選手を交換するトレードしかなかったが、
フリーエージェント制度ができたことで、ある一定の期間、実績を出した選手は、
球団を自ら選択できると言う権利が与えられたのだ。

もう一つの「逆指名制度」は、
また、従来プロ野球界に入団するには、ドラフト会議で指名されることが必須だったのが、
もう一つの「逆指名制度」ができることで、ドラフト1位・2位までは、選手の方が球団を指名できるというものに
一部ルールが変わったのだ。

僕自身も、個人の自由が束縛されるルールだなーと思っていたが、
「プロ野球選手」という特別な存在になるためには、「しょうがない」と理解していた。

しかし実際には、この2つのルールが広島カープを本当に弱小チームにしてしまったのだ。

選手側には、自由が与えられてよいのだが、
球団にとっても、より契約金額や年俸、その他の条件がよい選手を選べるようになった。
要するに、強大な資本を持った巨人のようなチームに選手が集まることになったのである。
市民球団である広島カープは資金がないため、ドラフトで上位選手のよい選手を獲得することができないし、
せっかく育って活躍するようになると、他球団にフリーエージェントで移籍するようになってきた。
川口、江藤、金本、新井、大竹、黒田、前田とカープの中心選手は巨人・阪神・メジャーリーグへと出て言った。
こうした選手の流失とともに、カープの成績は落ちていったのだ。

しかし実は、この前田のメジャー移籍をした翌年から、なんとカープはセ・リーグ3連覇を果たしている。

ドラフトの逆指名こそ現在はなくなったが、未だ続くフリーエージェント制度による主力選手の流失を克服し始めた、とも言えるのだ。
いったい、どうやってそれを克服したのだろうか?

僕はその理由は、時間をかけた「人材育成」に尽きると考えている。

カープは何故強くなったか?

ドラフトで大学性や社会の即戦力の選手の獲得が難しくなってからというもの、
カープ球団は選手の素材に徹底的にこだわり、名も無き選手を一流選手に成長させてきた。

カープのドラフト戦略は、実に面白い。

高校生でも、甲子園のスター選手よりも、
高校で投手で、4番で足の早く、肩の強い選手を優先して獲得している。
高校時代に投手で4番をチーム内でつとめる選手は野球センスの塊で、
足が早く速い肩の強い選手は、投手として大成しなくても、どこのポジションでもこなせるからである。

現在カープの主砲である鈴木誠也や、
今シーズンに移籍したセ・リーグ2年連続最優秀選手の丸選手がこのパターンである。
また、高額な外国人をメジャーから入れるのではなく、
ドミニカ共和国にカープアカデミーを作り、素質のある選手に長期間に渡って育成している。
現在、広島カープの長距離砲バティスタ選手や、救援投手のフランスア選手は、
このカープアカデミー出身の選手である。

子供の頃に憧れただけの広島カープだったが、
僕は。今この巨大資本に対抗するために、地道に選手の人材育成をしてきた、広島カープのやり方が
自分の仕事のやり方の基準になり、目指すべきところになってきている。
ちなみに昨年の広島カープと巨大資本球団巨人の対戦成績は
17勝7敗1分けと圧倒しているのだ!(笑)

[次ページ : 邑南町の人材育成制度の秘密とは…]

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