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価値の源泉はものづくりにあり。 ストーリーが宿る、真のものづくり。 【日本酒ベンチャーWAKAZE代表・稲川琢磨インタビューVol.2】
山形県

価値の源泉はものづくりにあり。
ストーリーが宿る、真のものづくり。
【日本酒ベンチャーWAKAZE代表・稲川琢磨インタビューVol.2】
株式会社WAKAZE

ボストン・コンサルティング・グループ(以下BCG)で働きながら週末に趣味で酒造りを始めた稲川琢磨氏。クラウドファンディングをきっかけに瞬く間に人気に火が付き、日本酒ベンチャーWAKAZEを創業するに至った。その経歴からはスマートで洗練された戦略家という印象を受けるが、日本酒業界に飛び込んだ新参者が取り組むのは「真のものづくり」。イノベーティブな「ものづくり」につきものの数多くの修羅場。それでもWAKAZEは挑戦し続ける。インタビューを通して伝わったのは、「ものづくり」の圧倒的なやりがいだった。

記事のポイント

  • 日本の酒を海外で売るのではなく、海外向けに”SAKE”を作って売る
  • ストーリーにも徹底的にこだわる「ものづくり」
  • ものづくりとクラウドファンディングは相性抜群

株式会社WAKAZE

山形県鶴岡市に本拠をおく、新しいコンセプトの日本酒の開発・自社ブランド商品の販売(OEM販売)を行う日本酒ベンチャー。フランスでの酒造りプロジェクト、ヨーロッパを中心として海外の販路開拓など、海外展開を積極的に進める。現在、ボタニカルSAKE「FONIA(フォニア)」のクラウドファンディングを実施中。
>コーポレートサイト
> 「FONIA」クラウドファンディングページ
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日本酒を世界酒へ

―長い歴史を持つ日本酒の世界に入っていくことで苦労したことはありますか?

あらゆる側面で課題があります。たとえば、日本酒と名乗るためには原料が国産で米、麹、水と指定されていて(※本醸造酒や吟醸酒などは、さらに醸造アルコールも使用)、それにのっとっていないものは「その他の醸造酒」と名乗るしかない。現在開発中の「FONIA」に関しても、それ以外の副原料を使うため、”SAKE”としか表記できません。

でも、そもそもいわゆる日本酒を造るつもりはまったくなかった。日本酒は、「日本のいいものを世界に発信していこう」っていう考え方だけど、僕らが造りたいのはもっとイノベーティブなもの。逆に言うと、ベンチャーの存在意義ってそこにあると思うんです。それと根本的に、一番の本質って売り込み方や伝え方ではなくてバリューチェーンの一番上にある「ものづくり」にある。本当にいいものを造れば海外から日本中に人が押し寄せてくるはず。

現状、日本酒の海外輸出額は155億円程度ですが、これに比べてフランスのワインの輸出額は1兆円と70倍くらいの開きがある。さらにGDPは日本の半分だから、140倍の開きがあるといっても過言ではありません。他のお酒でみてみると、サントリー山崎のウイスキーはパリで50万円くらいで売られていて日本の在庫は枯渇している。つまりそれくらい需要があるということ。

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日本酒の輸出にはまだまだポテンシャルがある

じゃあ日本酒も海外のニーズに合わせたもの作らないといけないよねってことで、洋食とのペアリング(お酒と相性の良い料理の組み合わせ)を楽しむための「ORBIA(オルビア)」を造ったり、もっとエッジのきいた商品を造ったりしてきました。そういうものを海外に発信していこうってなると反響もとても大きいです。

たとえばFONIA開発時に関しては、試験醸造の時点で、日本酒とイタリアンのペアリングをコンセプトにした名店「Firenze Sake(フィレンツェサケ)」の人たちから、「この酒ならペアリングの可能性が無限大!洋食だけじゃなくてパクチーとも合う」とお墨付きをいただいたこともありましたが、それこそ僕らの目指しているものです。

日本酒は現状、99%が国内向けで残り1%を海外に出しているけど、その1%の日本酒は国内で売っているのと同じものなんです。でも、本当は逆じゃないといけない。最初から海外向けに造ることが必要なんです。海外用に造っているんだけど、それと同じものを日本でも飲めますよっていう発想の転換が大事ですよね。一般的な酒蔵の考え方としては「用意した米・麹・酵母で造ったらこういう酒ができました」だけどうちは逆。「こういうお酒を造りたい」からスタートして、パートナーとなる酒蔵を探すことからやっています。そういった観点から見ても、今までの取り組みで限界だった部分も突破できると思っています。

信頼できるパートナーとタッグを組むことが大切

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左:ORBIAのLUNAで使用している酒米・酒の華の生産者の福原太一さん、右:稲川氏

―パートナーとなる酒蔵を探す際のポイントを教えてください。

ひとつは、「設備、免許等の面で造ることができるかどうか」。うちみたいな変わった商品って経済合理的にも大手はやらない。そもそも設備的に難しい場合もあるし、FONIAの場合は、「清酒」の醸造免許だけでなく、「その他の醸造酒」の免許を持っていないといけない。

そしてもうひとつは人です。酒蔵さんに一緒に酒造りしましょうとお話をするとき、反応は大きく分けると拒否か受け入れるかなんです。受け入れる人も、目がお金の目になっている人と情熱を持って引き受けてくれる人の2パターンに分かれます。一番いいのは、企画に対して前のめりで「それおもしろいね」という気持ちを持って一緒に酒造りを楽しんでくれる人。いろんな障壁があるから、一緒に乗り越えてくれる信頼できるパートナーがいいと思っています。

酒蔵探しで奔走した経験もあります。うちには、楽天に7年勤めた岩井っていうやつがいるんですけど、現在開発中のFONIAを造るにあたり、2017年夏、その岩井と蔵探しのために奈良を一周しました。でも全部の蔵に断られました。山ほどプレゼン資料作って山奥をかき分けながら辿り着いて、何度も交渉したりフォローアップしたりしたけど最後の最後でちゃぶ台返しにあって…。最終的に山形県酒田市の「オードヴィー庄内」という酒蔵と出会い、FONIAを造れることになりました。

next…ものづくりへのこだわりが、ストーリーとして宿る

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